LIVEレビュー

98/10/24

BAUHAUS / 98.10.18 東京国際フォーラム


 東京国際フォーラム。ラファエル・ヴィニオリ設計の建築。 東京都が総工費1650億円もの莫大な金をかけて作ったバブルの象徴。 こんな場所でバウハウスがやるのか。ある意味バンド名とはリンクしているのかも。 18:20ごろ会場へ到着、貧乏なのでグッツは買わんとこと思ってたのに、 見るだけと思って近寄ったらTシャツを手に持って帰って来ていました(泣)意志の弱い奴。

 中に入るとやはり広い、座席は後ろから10列目ぐらいのやや左より。ステージは遠い。 埋まるのかこんな会場、なぜかビックビーツ系の音 が流れている。が徐々にゴス系(笑)の音楽に、ほぼ1階席は満杯に、カオ真っ白にメイクした 人やコスプレ風の格好したおねーちゃん達がうろつく。15年振りの再結成。まさか2000年が近ずく この時代にバウハウスを見ることができるとは・・・

 18:15頃客電が消え暗幕の向こうから重低音が鳴り響く、暗幕が落ちる、天使達が舞い降りた。暗闇のの祭典がここに始まる。 真ん中にはTVモニターが置かれてあり、その中にピーターの顔が! ”Double Dare”でスタート 真っ暗な中に3人の人影がうごめく、心配していたことは杞憂で終りそうだ、力強いピーターの声 、フリーキーなダニエルのギター、地の底から響く様ななケヴィンのドラム、Jの重低音ベース。

 久しぶりにこういうギミックのあるライヴを見た。 高校生の頃見のがした(今考えてもどうして見に行かなかったのか良く分からない)バウハウスが目の前で演奏している。なんとも言えぬ 気持ちに、時代がフラッシュバックする”In the Flat Field”でピーター・マーフィがステージへ現れる。しかし照明が暗い、メンバーの姿 さえ見えなくなるほど。ストロボライトの中ピーターが踊る、88年のソロで来日したときとは別 人のよう。 しかしもう40歳越えてるんだよなあ。 しかしまるで水を得た魚のようだ、ピーターの声はあの3人のバックによってこそ生きてくる。いったい今はいつなんだろう?80年代なのか?この音はなんだ。時代が遡ったかのよう どう評価したらいいのだろう?

 演奏は完璧だ(バンドとしては再結成とはいえ、バックの3人はラヴアンドロケッツなのだから息が逢わない訳はない)、ピーターの動きも悪く無い、声はよく出ている。 今日集まった客が求めているバウハウス像をきっちりと演じている。再結成の目的がお金だと言い切ってる がための徹底振りか。そうバウハウスのステージは演じられている。徹底したプロ意識の元に。あまり知られていない曲08.09のあとでの ”She's In Parties”では大声援がおこる。(大好きですこの曲) ”Dark Entries”後半でJの姿がないぞと思って探していたら、演奏終了とともにメンバーがステージから去っていく。あっけない終わり方。しかしセットリストを入手していたので最初のアンコールでの2曲は分かっていた。 ”Telegram Sam” ”Ziggy Stardust”というリストを最初見た時反則やんこれ、と思った。

 予想通り一番客の反応がよかった。ギターのイントロが流れただけで大声援が起こる。”Ziggy Stardust”のカッコイイこと!、今のボウイに このテンションでこの曲を歌えるのだろうか?衣装もグラムになっている。ダニエルはマーク・ボランの ような帽子に青のラメ服、ピーターはギンギラの上下、ここでもJだけスーツ姿(笑)ラストの”Bela Lugosi's Dead ”ではピーターはマント姿で登場、きちっと見せます。 ピーターがステージを去る、そしてJが、ケヴィンが、最後に倒れたままギターの音を響かせていたダニエルが 立ち上がりステージを去っていく、静寂が訪れる。約1:30の暗闇の祭典の終り。

 非常にいいライヴでした。 昔から言われていたとおりのシアトリカルなステージ。演奏された曲もほぼベストオブバウハウス。(”MASK” ”DANCING”あたりはやって欲しかった。)だが僕が今必要としている音では無い。この辺はいろんな意見あるでしょうが僕にとってのロックは今の時代感や空気を伝えるものであって欲しいから。再結成バンドのライブにそういうこと求めるのは間違っているんでしょうけど。

 80年代にこのライヴを見ていれば今年のベストといってもいいぐらい出来は良かったです。ただ90年も終わろうとしている今の時代にどういう意味を持つのかというとやはりノスタルジーでしか有り得ない。もっともバウハウスに90年代的なものを求めて見に来ていて客などいないでしょうが。なんか棺桶の中を覗いてしまったような違和感は残りました。 (それだけ僕にとってバウハウスは大切なバンドでであったということ)もう1度来たらまた見に行ってしまうのでしょうけど…

  どのぐらいの人がアンコールを3回ぐらいやることを知っていたのか知りませんが、(インターネット上には結構情報あった)年齢層が高いためなのか 今日の客はちゃんとアンコールを求める拍手をしていた。最近はアンコール当たり前でおざなりにしか拍手しない 奴多いですね。

#この会場ロックに向いて無いね、重低音が響くと何かがビビッている音が聞こえてくる。

 
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